中小企業白書は、毎年中小企業庁から発行されていて、各種動向や施策、または事例などを見ることができます。以前には「白書からみる中小企業の海外展開あれこれ」の記事で中小企業の海外展開に対する状況や、今後の見通しを整理しました。
今回は、2022年4月26日に発表された「2022年度版中小企業白書」から、外国人雇用についてみていきたいと思います。
中小企業・小規模企業の動向
まずは業種別の従業員過不足の推移を見ていきます。DIがマイナスにあるため、業種によって差はあるものの、人手不足感があります。
コロナウィルス感染症の影響もまだまだ落ち着いてはいないものの、時間とともに対策ができている企業が増えてきたのだと考えます。但し、人手不足感があっても簡単に人が集まるわけではなく、働き手の減少という問題は人口統計からも見て取ることができます。
国勢調査の結果では、2020年10月時点での人口は1億2614万6千人で、前回調査の2015年時点と比較すると94万9千人の減少となります。もう少し顕著なのが働き手と言われる生産年齢人口(15歳~64歳)の割合が、大きく下がっているところにあります。
このような人口減少と働き手(生産年齢人口)の減少傾向は、直ぐに解消されることはありませんので、将来に渡って継続していきます。となると、企業側が人財を求めても集めることに苦労することになります。
そこで働き手を確保して、人で部族を解消するために、外国人労働者が注目されています。
外国人労働者の推移
続いては、近年の外国人労働者の推移と、就業者全体に占める割合を見ていきます。
働き手を確保するため外国人労働者の受け入れの体制を整えようとしていた結果もあり、近年で見ると増加傾向にあります。コロナウィルス感染症の影響もあり2020年以降の伸びはないが、今後も増加傾向をたどると考えられます。
また水際対策による入国の制限もあり、外国人技能実習生は前年からマイナス成長になっています。制度上、技能実習生を労働力と考えることは難しい部分がありますが、一定の労働力を補完している事実もあるため、コロナウィルス感染症の水際対策などが緩和されると、再び増加傾向になると考えられます。
これらのデータを見ていくと、国内での労働力確保はまずまず難しくなるだけでなく、人口減少による市場の縮小が懸念されます。中小企業白書では、中小企業の海外展開に関するデータや事例も多く掲載されていまし、支援施策も充実しています。
外国人労働者は、海外とのブリッジ人財として期待されている部分もありますので、単純な労働力として見るだけではなく、適材適所での活躍を期待する面も大きくなってくると思います。
最後に
日本国内における人財不足の問題は、継続的に悪化していくことが予想されています。このような環境変化がある時は、変化に併せて徐々に対応をしていく必要があります。
とはいえ日本では、外国人財と同じ職場で働くことは少なく、まだまだ環境は整っていないと感じています。一足飛びで環境は整わないと思いますが、弊社では海外人財に対する知見を補修していますので、ご興味あればスタッフまでお声がけください。
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それではまた
アンドファン株式会社
中小企業診断士 田代博之