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ビジネスとカジュアルの悩み:ファッションはコミュニケーション?

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ビジネスにおいて服装は大事になります。一番無難な格好としてはスーツだと思いますが、最近はクルールビスやウォームビズなども浸透し、ビジネスカジュアルも増加してきたように思います。

しかしファッションの知識が少ない私にとって、ビジネスカジュアルと言われても、どこまで崩していいのか、どう組み合わせたらいいのかなど、様々な悩みを持っていました。

そんな中、大阪府中小企業診断協会の青年部のイベントにて、行政書士/ファッションコーディネーターである井川真弓(いかわまゆみ)さんのお話を聞く機会がありました。

「診断士のためのビジネスカジュアルセミナー ~『スーツしか勝たん』と思ってない?~」と題して、ファッションの重要性、ビジネスカジュアルの押さえるべきポイント、今すぐ使える組合せなどのお話を伺いましたので、自分なりに整理していきたいと思います。

ファッションの重要性

まずはビジネスシーンにおいてファッションが重要なのかのお話がありました。ビジネスにおいても第一印象はとても重要で、人は3秒~5秒の間に第一印象が決まり、一度ついたものはなかなか変わらないと言われています。

アメリカのテキサス大学オースティン校の教授、ダニエル・S・ハマーメッシュ氏(労働経済学)は、収入に影響を及ぼす要素として学歴以外に「容姿・外見」も含まれると提唱しました。

人の見た目を5段階に分け、年収及び生涯年収にどの程度の差が出るかを調査した結果、年収では17%生涯年収に換算すると4760万円増加する結果となったそうです。ある程度の差は出ると感じていましたが、思っていてより大きな数字でしたので驚いています。

また人の見た目に関する実験で「メラビアンの法則」があります。ここで細かく説明はしませんが、人はコミュニケーションの要素として、言語情報より非言語コミュニケーション(視覚や聴覚)で判断すると言われています。

二つの話を聞いて、容姿は生まれ持ったものだからと嘆くのではなく、ファッションは自分の意志で変えることができる要素ですので、意識をして変えていくことは重要なのだと感じました。

 やってはいけないビジネスファッション

続いてはファッションのルールのお話をいただきました。日本ではアパレル業界に関わっている方以外では、ファッションを学ぶ機会はなかなかないと思います。しかし、ビジネスファッションにはルールがたくさんあり、それらを知っておくことは大事になります。

例えば、スーツのルーツは英国から始まり、紳士の娯楽や散歩用の服から徐々にビジネスでも使われるようになったそうです。その後、米国に伝わり本格的にビジネスシーンで使われることになったようです。一般的になったのは20世紀に入ってからと言われていますが、スーツには大きく3つの型があるとされています。

まずは伝統的な英国調、実用性や機能性を重視したアメリカ調、現代的で艶っぽさイタリア調の3つがあるそうです。ここでのポイントは、英国調とイタリア調が混ざるとちぐはぐになってしまうため注意が必要とのことでした。

スーツのように、ルールがあってこれに従っているうちはわかりやすいですが、ここで困るのがビジネスファッションのカジュアル化です。今までルールに沿って来ていたスーツ以外で、何を着ていいかわからないと感じる方が多いのではないかと思います。

ビジネスカジュアルでやりがちな「2つのNGポイント」としてお話があったのは、1点目は「カジュアルすぎる」と言う点です。ビジネスカジュアルとカジュアルは全く別物ですので、例えばパーカーなどのカジュアルウェアをビジネスで着ることはNGになります。

また2点目は色や柄で遊ぶことという点です。そこにしか目がいかなくなるのでNGとなります。例えばチェックのシャツ、ストライプの強い柄、柄が強いネクタイ、細かいところではボタンの糸に色などがあります。

ここでとても大切な話としてあったのが「ビジネスファッションは個性を出す場所ではない」ということです。スーツで少しでも個性を出そうと思うことはあるものの、ビジネスでは相手がいることですのでこちらの個性を出す必要は薄いですね。

これさえ押さえておけばビジネスカジュアルも間違いなし

ビジネスカジュアルとは、「ジャケット+パンツ+シャツ+ネクタイ+靴」の組合せの中で、スーツを一番フォーマルだとして、カジュアル度合いを組み合わせるイメージで考えるといいようです。

その中で大事なことは①サイズが命、②上濃下淡、③色は3色までという3点でした。

サイズは大きめを買いがちですが、体にフィットしていない服は印象が悪くなります。体の一部(肩やお腹)に合った服を選び他がブカブカの方も見ますが、全体的に自分の体に合った服を選ぶ必要があります。

また色の組合せで、上着に明るい色を持ってくるとカジュアルに見えてしまうため、上着に濃紺など濃い色を持って来て、パンツにグレーなどの淡い色を持ってくるといい印象になるそうです。とはいえ、白のパンツは上級者向けなので、無理しない程度にとのことでした。

最後に、色が多くならないために色は3色までにするとまとまりが良くなります。上濃下淡を守って、ジャケットやパンツで色を使うと靴かネクタイで1色を使うことになると思うので、ネクタイはジャケットかパンツか靴に合わせて、自動的にシャツは白と言うことになります。

このように考えていくと、紺のジャケット、グレーのパンツ、白いシャツ、茶色の靴、茶色か紺のネクタイが基本的なパターンになるようです。

「ビジネスファッションは個性を出す場所ではない」とのお話があったように、ファッションは非言語でのコミュニケーションですので、相手によってどのくらいカジュアルにしていいのかを考える必要があるとのことでした。

最後に

当日の話でもあったのですが、スーツでもビジネスカジュアルでもこれっといえる1組があるといいと言われていました。ここぞというときに、「この服装で大丈夫だったかな?」「あの服にしておけばよかった」など、余計なことを考えてしまうと目の前の話に集中できなくなってしまうこともあります。

 最近オンラインでのやり取りが増えたことで、スーツやビジネスカジュアルを着る機会は減っていると思いますが、この機会に見直してみることもいいと思います。

 それではまた。

 アンドファン株式会社

中小企業診断士 田代博之