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営業現場でも使える思考のフレームワーク「空・雨・傘」

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おはようございます。

世の中には様々なフレームワーク(枠組み/骨組み)が存在しています。ビジネスの世界でも多く使われ、例えば有名なものでマーケティングの4P分析(商品/価格/販促/流通)や、業界分析の5フォース分析(供給/業界内/買い手/代替品/新規参入)などがあります。

フレームワークを利用すると、手順に沿って考えると無駄を省けたり、漏れなく考えることができたり、論理的に説明することができたりと、多くのメリットがあります。

今回は、会社案内や商品紹介、社内報告などの営業現場でも使用できる、課題解決のフレームワークとして有名な「空・雨・傘」のフレームワークをご紹介していきます。

空・雨・傘とは?

「空・雨・傘」とは、コンサルティングファームのマッキンゼーが作り上げたと言われている、問題解決のフレームワークと言われています。

内容は、「空が曇っているので、雨が降りようだから、傘を持っていこう」ということですが、それぞれを分解すると以下の要素になります。

  • 空:空が曇っている:事実認識
  • 雨:雨が降りそうだ:解釈/分析
  • 傘:傘を持っていこう:判断/行動

まずは「空:事実認識」ですが、空を見て雲がかかっていると認識するように、まずは起きている事実を認識することです。ここが違っていると、話が合わなかったり、誤った判断をしてしまったりしますので、正しく事実認識することが必要です。

続いて「雨:解釈/分析」ですが、事実認識からその事実をどう解釈するかを考えることです。こう考えたということを伝えることで、次の判断/行動につなげていきますが、ここは様々な解釈があるところですので、全体を踏まえて複数考えることが必要です。
例えば、「空が曇っている」という事実に対して、「でも晴れそうだから、心配ない」となる場合もあると思います。

 最後に「傘:判断/行動」ですが、導かれた解釈をベースに何をするのかを判断していきます。ここも一つの答えになるわけではありませんし、解釈が複数の場合は判断も違ってきます。
例えば、「雨が降りそうだ」と解釈した場合、「傘を持っていく」だけでなく「外出しない」「カッパを着る」などの選択肢もあると思います。

 このフレームワークを利用すると、思考のステップが明確になり、他の人に伝える時に論理的なストーリーを表すことができます。
仮にステップを飛ばして「空が曇っている」→「傘を持っていこう」、「雨が降りそうだから」→「傘を持っていこう」とすると、なんで?という疑問が出ます。また「空が曇っている」→「雨が降りそう」とすると、だから何?となることがあります。

 空・雨・傘を営業現場で使う

さて、このフレームワークは思考のステップが明確になることで、論理的なストーリーで他の人に話をすることができます。私が現場で意識しているのは、「社内報告」や」「会社案内や商品紹介」の現場でも活用しています。

例えば、顧客に会社案内を行う場合、自社の構成をPRしたいために「○○のアワードを頂いています」と紹介するケースがあります。これは聞き手にその解釈と判断を任せてしまっているので「だからなに?」という感覚にもなります。
そこで「空・雨・傘」のフレームワークを使って、

  • 空:○○のアワードを頂いています
  • 雨:これは技術力が評価された結果なので
  • 傘:安心してお任せいただけます

 などと、お話をするようにしています。こちら側の解釈や判断を示すことで、聞き手に理解を促すことができます。また顧客の要望や状況によって解釈や判断を変えることができ、より顧客に沿った紹介をすることができるようになります。

また社内報告の時でも、

  • 空:商品Aの反応は良くなかった
  • 雨:商品のイメージがつかめていないため
  • 傘:次回デモを行う

こうすることで論理の飛躍が無くなり、報告を受けた上司としては解釈に間違いはないか?他の解釈は無いか?や、判断た適切か?などの観点から指示を出すことができるようになります。

 <h2>最後に</h2>

フレームワークと聞くと、なんだか難しそう・・・と思う方もいるかもしれませんが、私は使い方と使う場所を適切に選べば、とても有益なツールが多いと思っています。

今回は思考のフレームワークをご紹介し、それを営業の現場でも利用できることをご紹介しました。これを利用することで、他の人への説明がとてもやりやすくなったと感じていますし、実際に営業活動の改善の場でも活用しています。

なんとなくで事実だけを伝えるのではなく、論理的に伝えることができるようになりますので、良かったらお使いください。

それではまた。

アンドファン株式会社

中小企業診断士 田代博之