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ミャンマーで頑張る日本の中小企業をご紹介④

おはようございます。

本日もミャンマー視察でお会いした、ミャンマーに進出して頑張る日本の中小企業をご紹介します。今回ご紹介するのはミャンマーで建設業を行っている株式会社アライアンスパートナーコンストラクションさんです。

日本においては、日緬共同で開発を行っているティラワ経済特区の話をよく耳にしますが、実際のところはどうなのか、他の地域の状況はどうなのかなど、建設業ならではのお話を、社長の照屋様と、取締役の河田様にお話をお伺いしました。

APC

事業の概要

2013年にミャンマーへ渡り、現在はミャンマー国内で日本企業に向けた建設施工全般を請け負っています。特にマンダレー地区での事業が多く、測量や検討の段階から完成までを一貫して受注しているそうです。
注目度が高いティラワ経済特区の仕事は、現在ではほとんど行っていないとのことです。恐らくティラワ経済特区まで行く道路がまだまだ未整備である点や、用地を抑えたが建設計画中である点が、要因で考えられるとお話されていました。

社内では基本的に英語でのコミュニケーションを行っているとのことで、現在は15名程度の従業員を採用しています。社長は「仕事は楽しくやる」をモットーにしていて、食事やゲームなど従業員も巻き込みながら、楽しくできる方法を考案して実践しているそうです。

ミャンマー進出のキッカケ

日本で仕事をしていると、大手の下請けになることが多くあります。この場合、たとえ高品質な商品を短納期で収めたとしても価格が叩かれてしまい、これでは利益も出ないし「面白くない」ので、世界に目を向けて商売の相手を探すため海外進出を行ってきたとのことです。その中で、ミャンマーは「これから伸びる」と感じたことがキッカケで、進出をされたそうです。

進出の苦労話など

建設の前はコンクリートの販売を行っていたそうですが、ローカル企業との価格競争で赤字になったため、事業をやめたそうです。ローカル企業は品質を度外視して色々やるので、気をつける必要があるとお話されていました。

PCを出来る人を中心に採用を行っているが、正直、仕事の方法を教えても理解が出来ない人はいて、後からの教育だけでは難しい部分もあるようで「いい人材を採用することが重要」とのことです。また教育の一環で掃除を行うようにしているため、事務所はとてもきれいでしたし、皆さんとても礼儀正しく接して頂けました。

当然、いい人を採用していこうとすると給料は高水準となり、経験や能力などにもよるが、600~1,500ドル/月程度になっているようです。とはいえ、社員には良い思いをして欲しいという気持ちから、給料を下げたことは一度もないようです。一生懸命働いて、利益が出れば従業員に還元することを心がけているそうです。

またミャンマーでは土地は余っているが、法律の関係からも人を見ないといけないとお話されていました。従業員だけでなくパートナー企業においても、いい人を見極めることが重要になるとお話されていました。

今後の展開

日本の技術に対する評価はまだまだ高いので、中小企業の技術をどんどん海外にもってきて欲しいとのことです。APC様と同様に、世界を相手に商売を行う企業を集めて、工業団地のような地区を作っていきたいと考えているそうです。

お話をお伺いして

「仕事は楽しくやる」という言葉がとても印象的ですが、まさにこの言葉のように楽しんでおられます(写真から伝わるでしょうか・・・)。河田様をはじめとして、一緒に働くメンバーの表情が充実感に溢れている様子は、やはり社長の人柄とお考えによるものだと感じました。
APC2

お話をお伺いする中で、海外市場で商売をすることの可能性が大きいことを感じさせて頂きました。中小企業にとって、取引の慣習や商売のルール、購入者のニーズなど日本のそれとは違うため、すぐに海外展開を行うことは簡単ではないとは思います。しかし、その違いがあるからこそ、今まで日本で感じていた視点とは異なる視点で可能性を模索できるのだと考えます。また海外進出や海外市場への展開に対しての補助金もありますので、こちらを利用するとリスクも小さくスタートできると思います。

照屋社長、河田取締役、今回は貴重なお話をありがとうございました。

これでミャンマー視察でお話をお伺いした、日本の中小企業さんのご紹介はこの記事で最後となります。
ご協力頂きました企業様、お忙しいところ誠にありがとうございました。

それではまた。

アンドファン株式会社
中小企業診断士 田代博之