おはようございます。
皆さんはBIツール(ビジネスインテリジェンスツール)を利用したことがありますか?
最近、各種システムの利用促進やIoTなどの流れもあり、企業が保有するデータの量も増えてきました。データの分析の主流と言えば、エクセルで作表してグラフを作ってレポートを作成して・・・の流れだと思いますが、膨大なデータと取り扱ったり、システムをまたいでデータ分析したりする場合など、エクセルでは難しくなるケースもあります。
その場合、BIツール(ビジネスインテリジェンスツール)の利用が効果的になるのですが、正直、今まで私はまともに触ってきませんでした。
最近では無料や安価で利用できるツールも充実してきたため、中小企業でも使用できるものか、改めて体験した内容をまとめてみました。
BIツールとは
まずはそもそもBIツールとは何か?という点ですが、私なりに「膨大なデータの収集、加工、分析し、意思決定を手助けするツール」と理解しています。
つまり、今までエクセルで集計して、加工して、レポートしていたことと、大きな意味では変わりません。
例えば、月次の販売状況を店舗ごとに集計して、売上の合計を求める。その中で、来店時間や顧客属性などで分けて分析をする。または売上品目ごとに並べて、どの商品が売れているのかを分析するなど、皆さんも一度はやったことがあると思います。
売上表だけならばいいですが、例えば生産のデータや仕入れのデータ、営業支援システムや顧客管理システム、時には天気や温度データなど、複数のシステムから形の違うデータを取得して集計しようとすると、多くの手間が必要になります。
また分析方法も予実分析、ABC分析、相関分析など、多角的に数値を分析しようとすると、エクセルではなかなか骨の折れる作業になってきます。
このような膨大なデータを分析して、気づきを得ようとする場合、BIツールが有効になってくるのだと考えています。
BIツールを使いこなすことができるか
そこで今回は、無料で利用することができるMicrosoftのPowerBIを利用して、売上データと天気のデータを合わせて表示し、関連性があるか?のグラフを作成するまでを試してみました。
ちなみに私自身は、IT業界にいますので多少の知識はありますが、エンジニアではありませんのでプログラムなどの経験はほとんどありません。またエクセルでの集計や分析は日々の業務で使用しているレベルで、そこまで使いこなしているとは言えないレベルです。
データの読み込みは対象のデータを用意しておけば、データ形式を指定(エクセル等)して選択して読み込みボタンを押すだけなので、特に迷子になることはありません。
グラフに必要な数値を追加する場合は、BIツール上で計算式(dax)を入れるなど加工をすることができます。
その後、読み込んだデータからグラフを作る際も、作りたいグラフを選択して縦軸と横軸のデータを指定していくと、グラフが表示されます。この辺りまでは、細かくはエクセルとの差もありますが、基本的なやり方は同じで問題なく進めます。
さてここからがBIツールが生きる部分になるのですが、違うところから持ってきたデータと掛け合わせてみてみます。今回は販売データと天気データの関係性ですので、年月日をキーに二つのデータを合わせてみました。違うところから持ってきただけに年月日の形式があっていませんでしたので、前もって加工しておきます。
その後、リレーションシップの管理から先ほどのキーを結びつけると、関連付けが完了します。グラフで見てみると今回用意した2つのデータに関連性はなさそうでした。
ここでいったん作業としては終了しました。
BIツールを使ってみた感想
今回は、2つのデータを関連付けてグラフで表示するまででしたが、ここまでは何とか出来る感じでした。初期のセットアップには、慣れるまではハードルがあると感じました。とはいえ、一度作ってしまうとデータが更新されてもグラフが更新されていくので、結果的には手間が省けるのだと思っています。
また分析するツールであるため、データの気になるところで右クリック「分析」-「説明」をクリックすると、ツール側で原因(と思われる)グラフを自動的に出してくれる機能もあります。この辺りも精度が上がっていけば、かなり便利な機能になると思います。
また今回は簡易版でしたが、本格的に使っていけばもっと色んなことができるのだと思います。
今回ツールを触ってみて改めて思ったのは、ツールを何の目的でどう使うか、つまりどのデータを使用して何を分析してどうするか?の部分を考えていくことが、一番ネックになりそうだと感じました。
最後に
BIツールというと、なんだかよくわからない、大量のデータなんてないからウチには不要と考えがちですが、今エクセルでやっている作業を簡略化できるかもしれませんし、今までと違った分析により新たな気づきを得られる可能性もありますので、一度検討してみることは有効だと感じました。
中小企業であっても、様々なデータを活用している事例を見ることがあります。ITツールは日々進化をして面倒なことが少なくなっていますので、一度試してみてください。
それではまた。
アンドファン株式会社
中小企業診断士 田代博之